【2024】派遣の抵触日とは何かを解説!抵触日通知など派遣先企業の対応も教えます

派遣社員の受け入れ期間には、期限があることをご存知ですか?

2015年に施行された改正労働者派遣法において、「派遣社員が同じ組織で3年を超えて働くことはできない」と定められており、「3年ルール」とも呼ばれています。

みなさんがよく耳にする抵触日も、この3年ルールと密接に関係しています。

今回はそもそも「抵触日とは何か」はもちろん、3年の期限を迎えたときの対応や、派遣先企業としての注意点についても解説していきます。

抵触日についてはもちろん、派遣先企業としての必要な対策についても理解を深めたいという方は、参考にしてみてください。

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抵触日とは

2015年に施行された労働者派遣法において、同一の事業所に3年を超えて働くことを禁じるという大きな改正点がありました。

いわゆる「3年ルール」です。

抵触日とは、この3年という派遣期間の制限を過ぎた翌日のことをさします。

たとえば、2022年1月1日に派遣で稼働したスタッフの場合、抵触日は2025年1月1日となります。

原則、抵触日をむかえたら、同じ組織内でそのまま働き続けることはできません。

抵触日が設けられている理由

では、なぜ抵触日が設けられているのか?

それは派遣という働き方は元来「臨時的・一時的」という考え方があり、簡単に代替することを防止する必要があったからです。

また、派遣労働者の雇用の安定とキャリアアップを図る必要もあったことも、「3年ルール」を派遣法内で定め、抵触日を設けている理由とつながっています。

派遣制限をうけない条件とは

派遣という働き方においては、基本的に3年という派遣期間の制限が設けられています。

しかし、例外として、派遣制限をうけない場合も一部あります。

その条件とは、下記のいずれかのケースに当てはまる場合です。

・派遣元で無期雇用されている派遣労働者
・60歳以上の派遣労働者
・日数限定業務に従事している者(1ヶ月間に働く日数が通常労働者より少ない、かつ月10日以下の勤務)
・産前産後休業、育児休業、介護休業を取得する労働者の代替業務を担当する者
・完了時期が明確な有期プロジェクト業務で働く者

自社で働く派遣社員が上記パターンに含まれるか、確認しておいてください。

抵触日の種類

抵触日の種類には、「個人単位の抵触日」と「事業所単位の抵触日」の2種類があります。

ここでは、それぞれの特徴について紹介していきますので、理解を深めていきましょう。

個人単位の抵触日

個人抵触日
個人単位の派遣期間制限では、「派遣社員が同一の組織で働くことができる期間は3年が限度」と定められており、その派遣期間制限が切れた翌日が個人単位の抵触日となります。

この場合の組織とは、会社単位ではなく、「課・グループ」などがあたります。

そのため、同じ会社内でも、別の「課・グループ」に異動すれば、3年経過後も働くことが可能です。

事業所単位の抵触日

事業所抵触日
事業所単位の派遣期間制限では、「派遣先の同一の事業所で、派遣スタッフを受け入れることができる期間は3年が限度」と定められており、その派遣期間制限が切れた翌日が事業所単位の抵触日となります。

ただし、事業所単位の抵触日は個人単位の場合と異なり、派遣先企業が派遣社員の継続的な受け入れを希望する場合に延長することができます。

その場合に必要な対応に関しては、「事業所単位の派遣期間を延長したい場合の対応」にて解説していきます。

抵触日を迎えた際の対応

もし派遣社員が抵触日を迎えた場合、どのような対応が必要になってくるのでしょうか?

対応方法は以下の4つとなります。

・派遣先企業への直接雇用
・同じ派遣先の別の課やグループで働く
・別の派遣先企業で働く
・派遣元企業での無期雇用

ひとつずつ、詳しく見ていきましょう。

派遣先企業への直接雇用

抵触日を迎えた派遣社員を引き続き受け入れたい場合、本人の希望を確認したのち、直接雇用にて迎え入れることができます。

派遣先企業としては新たに別の社員を採用するよりも、勤務姿勢や能力を理解している社員をそのまま雇用するほうが、教育負担や会社方針を理解させる工数を減らせるメリットがあります。

抵触日を迎えた派遣社員に今後も継続して勤務してほしい場合には、直接雇用の提案をしてみてはいかがでしょうか?

同じ派遣先の別の課やグループで働く

抵触日に該当した派遣社員でも、同じ派遣先の別の課やグループで働くことは可能です。

なぜなら、個人単位の派遣期間制限で定められている組織は会社単位ではなく、「課・グループ」などがあたるからです。

そのため、たとえば人事課で勤務していた派遣社員が、抵触日を迎える前に経理課に異動した場合には、経理課で再び3年間派遣勤務することができるのです。

別の派遣先企業で働く

そのほかの方法として、別の派遣先企業で働く方法もあります。

同じ派遣先でも、これまでとまったく違う業務内容で働くことは、培ったスキルや経験を活かせない可能性も出てきます。

そのため、これまでのスキルや経験を活かして働きたいと考える方は、別の派遣先企業でキャリアを積んでいくのもひとつの選択肢になりえます。

派遣元企業での無期雇用

条件つきになりますが、派遣元企業で無期労働契約に変換することで、同じ派遣先企業で引き続き働くことが可能となります。

その条件とは、派遣元企業での雇用期間が通算5年以上であること、かつ派遣社員自身が希望していることがあげられます。

この方法が可能となる背景には、派遣元企業での雇用期間が通算で5年を超える場合に「無期転換ルール」が適用されることが関係してきます。

派遣元企業での雇用期間が通算で5年を超えていて、かつ継続して同じ派遣先企業で勤務したい方は、派遣元企業での無期雇用という方法も検討してみてください。

参照:厚生労働省「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト」

派遣先企業としての注意点

ここでは抵触日を迎えた際、派遣先企業が対応すべきポイントを3点紹介していきます。

どれも重要な内容となっていますので、チェックしておきましょう。

事業所抵触日の通知

1つ目は事業所抵触日を派遣会社に対し、通知することです。

こちらは、双方が事業所単位の抵触日を把握することで、派遣可能期間の制限を超えないようにすることが目的です。

なお事業所抵触日を通知する書面に特に決まったフォーマットはなく、以下の内容が記載してあれば、書式は自由です。

・事業所名
・事業所の所在地
・事業所抵触日

事業所単位の派遣期間を延長したい場合の対応

つぎに事業所単位の派遣期間を延長したい際の対応ですが、抵触日の1カ月前までに意見を聴取することで延長が可能です。

意見の聴取先は、該当する事業所の過半数の労働組合となっており、もし労働組合がない場合は、過半数の代表者が対象となります。

注意点としては、本店で延長手続きを一括対応できない可能性がある点です。

事業所が各支店や営業所ごとにある場合は、意見聴取は各支店、営業所ごとに行う必要が出てきます。

もし正しく意見聴取が行われていない場合には、派遣期間制限が延長されません。

その結果、抵触日以降に派遣社員を受け入れることができなくなるため、注意しましょう。

なお延長手続きには制限がないため、延長手続きを行い続けることで、派遣会社から派遣社員を派遣してもらうことは可能です。

抵触日以降も同じ派遣社員を受け入れたい場合の対応

先ほどもお伝えしたとおり、抵触日以降も同じ派遣社員を受け入れたい場合、派遣社員に対して直接雇用の申し込みを行う必要があります。

これは、派遣社員としての受け入れではなく、自社の社員として受け入れることを意味しています。

直接雇用のポイントは、正社員だけでなく、契約社員やパート社員も雇用形態に含まれることです。

そのため、対象社員の希望を聞きつつ、お互いが納得する形で契約締結できるように進めていきましょう。

抵触日についてよくある質問

最後に、抵触日に関してよくある質問を、回答とともにまとめて紹介していきます。

どの質問も、抵触日を理解するうえでおさえておきたい内容ですので、参考にしてみてください。

個人単位と事業所単位の派遣期間制限はどちらが優先されるのか?

各抵触日の相関関係
個人単位と事業所単位の派遣期間制限では、事業所単位のほうが、優先されるという関係性があります。

そのため、個人単位の抵触日より、事業所単位の抵触日が先に来た場合、人によっては就業期間が3年未満になる可能性もありえます。

たとえば、派遣社員Xさんの個人単位での派遣期間が2025年2月1日の時点で、あと1年残っていたとします。

しかし、事業所単位の抵触日が2025年2月1日だった場合、Xさんの派遣期間が1年残っていてもその事業所では働くことができないということになります。

事業所抵触日を通知するタイミングはいつか?

派遣先企業が対応すべき内容である事業所抵触日を通知するタイミングですが、派遣会社と派遣契約を締結する前に、あらかじめ派遣会社に対し事業所抵触日を通知しなければなりません。

通知する方法は以下3点のうち、いずれかにより実施します。

・書面の交付(FAX送信を含む)
・書面データを電子メールに添付のうえ送信
・電子メールに記載のうえ送信

なお、個人単位の抵触日に関しましては、派遣会社に対して通知する必要はありません。

クーリング期間とは具体的にどれくらいの期間を置けばいいのか?

クーリング期間
クーリング期間とは、個人単位・事業所単位の派遣期間制限をリセットできる期間のことを意味します。

個人単位のクーリング期間ですが、派遣期間終了後3カ月と1日経てば、期間がリセットされ、同じ派遣社員を派遣として受けいれることが可能となります。

事業所単位に関してもおなじく、派遣期間終了後3カ月と1日経てば、派遣社員を受け入れることができます。

しかしながら、クーリング期間を経てすぐに同じ派遣社員を受け入れることは、労働者派遣法上、推奨されていないので注意しておきましょう。

もし、同じ派遣社員に継続して働いてほしい場合は、派遣社員に対し直接雇用を申し込むことをおすすめします。

まとめ

同じ抵触日でも、個人単位と事業所単位があるなど、複雑に感じる方も多いのではないでしょうか?

また今回お伝えしたとおり、派遣先企業が対応すべき内容も複数あるため、抵触日に関しては正しい理解が必要となってきます。

派遣契約にかかわる全ての人や企業が納得のいく契約が結べるよう、紹介してきた情報を参考に、抵触日に関する理解を深めていきましょう。

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採用ジャーナル編集部

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