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10歳若がえり隊隣のスーパーアスリート

河尻 光晴さん

誰かの才能を引き出すには
ベースの体づくりから

河尻 光晴さん
MITSUHARU KAWASHIRI

イラストプレゼン講師として独立チャレンジ!

教育出版会社などを経て、2021年6月にイラストプレゼン講師として独立された河尻さんは、「絵を描き、見せて、伝える」というスキルを通じて、新しいコミュニケーション術や思考術を、企業・学校・自治体などで伝えている。

「もともとは仕事の傍ら、似顔絵を人に教えることがあったんです。ある時、誰でも簡単に描けるようにと『棒人間』の書き方をレクチャーしてみたら、自分にも絵が描けた!と、喜んでくれる人が多くて、SNSや口コミでどんどん広がっていったんです」。
人が喜んでくれて、自分も楽しい。このことをきっかけにビジネスパーソンに向けた遊び感覚の勉強会として、週末などに棒人間の描き方講座をはじめることに。しかしコロナ禍となり講座はいったん休止。周りには慣れないオンラインを活用して仕事をする人が増えた。リアルとは異なる伝え方に戸惑う人が多くいることに気づいた河尻さんは、自身が得意とするイラストを活用することを思いつく。スケッチブックに絵を描いてオンラインで見せながら講義やプレゼンをすることを提案し、デジタルペンタブレットを用いて画面上で絵を描く過程を披露してみた。すると、オンラインでイラスト講座をしてほしいとのリクエストがあり開催したところ、「コロナで学校にいけな小学生にぜひ」「遠方に住む知り合いに・・」と、地元名古屋を超えて全国各地から講座依頼が殺到。もはや休日だけでは対応しきれない。会社にいれば仕事はあるが、今、自分がやりたいと思うこと、人との出会いや繋がりを大事にしたい。不安はあるものの、何を捨てて何をやるかを考えた末、独立に踏み切った。

河尻 光晴さん 『棒人間』のイラスト

陸上競技を通じて学んだこと

河尻さんは学生時代、陸上競技に情熱を燃やしていた。高校時代には中距離選手としてインターハイ直前までいったり、県大会で1番になるなど頭角を現し、「全国で活躍できる選手になりたい!」との夢を描いて名門・鹿屋体育大学に進学した。
「僕はとにかく愚直に、一生懸命練習していました。でも、高校時代からすでに全国で活躍している選手たちとは、ピーキングや勝ちに対するモチベーションが違うことを肌で感じていましたね」。大きな成績は残せなかったが、やれることはすべてやり切った。
その後、大学院に進学すると、スポーツクラブでアルバイトを始めた。陸上競技で培った運動能力と、大学で学んできた運動学の知識などを生かし、高齢者や子どもを含む幅広い層のお客さまの気持ちに寄り添いながら教える経験を積み、マーケティングや、サービスとしてのプログラム構築などを仕事から学んだ。もともとは教員を目指して大学院へ進んだが、アルバイト経験で視野が広がり、企業へ就職することに決めた。

卒業後に入社した教育出版会社では、教材の訪問営業を2年間経験したのち、東京本社へ異動。子ども教材の企画販売をする部署で、パンフレットやチラシ、グッズ制作などをするうちにデザインに興味を抱き、アートディレクターを目指した。実はもともと絵が好きだった河尻さん、「しまった、美大や専門学校に行かず、体育できちゃったぞとここにきて思いましたね」と懐かしそうに笑う。その後、印刷会社へ転職し、ディレクターとしてクライアントのマーケティング課題を解決するための企画から仕事をさせてもらうことになった。任せられた仕事を愚直にやり遂げる力は、陸上競技で目標設定に対して、やり抜いた精神力が生きている。そして情熱と思いだけではなく、その上には戦略がいることを知ったからこそ、河尻さんはビジネスの経験をどんどんマリアージュさせ、新たなビジネスを切り拓く力が身についていた。

学生時代は陸上競技で活躍

人前に立つための3つのキーワードと「運動習慣」

河尻さんは、人と関わる上で“心地良さ“が大事だと考えているそうだ。人前に立つ時には「軽快」「爽快」「痛快」であることを常に心がけているとのこと。
そのため、毎朝の運動を習慣化し、一日のテンションを上げている。
「運動をすれば、内側から爽やかなオーラが出るように思うんですよね。初対面でも、体が健康的なほうが好印象を与えられるはずだと考えて、営業時代も毎朝走っていました。」

コロナ禍によって前職でも仕事はリモートが主流となり、肩こりや腰痛に悩まされることが多くなった。独立してからは、毎朝5時に起床すると、リモート、オンラインに長時間たえられる体づくりに取り組んでいる。

公園でストレッチ

プッシュアップは1種目30秒、10秒休憩で5種目。かなりきついが部位を変えながら工夫。ウォーキングはかかとの位置などフォームを意識して歩く。ストレッチは骨盤と腰、体幹の柔軟性を高めることを意識しているそうだ。
「オンラインだと、顏色は照明やメイクでごまかせるかもしれないけれど、表情や目の力は体からにじみ出るものなので、どこか不調をきたしていたら、相手に伝わるものなんじゃないかなと思うんです」。
言われてみれば、内側から醸し出す雰囲気やオーラのようなものは、日常生活の積み重ねによって醸し出されるものに違いない。

公園でストレッチ

誰かの才能を引き出すディレクターとして

自身がアーティストであり、ディレクターでもある河尻さん。美大を出ていないとはいえ、陸上競技で実際に体を動かし、解剖生理学を学んできたからこそ、河尻さんが描くイラストには躍動感があり、「棒人間」の講座においても、腕や足の動きをいかにリアルに生き生きと描けるかが伝えられる。このベースを持っていることが、唯一無二の強みになったのではないだろうか。「誰かの才能を引き出し、人の間で立ちまわるのが好きなので、今はそれが自由にできて、人から喜ばれることをダイレクトに感じられることが嬉しいです」。
これからも愚直にベースの体づくりを継続し、楽しんで仕事に邁進する河尻さんの活躍がとても楽しみだ。

インタビューを受ける河尻光晴さん

インタビュー・文/中野 佳代子
(10歳若がえり隊 編集長)

河尻 光晴さん プロフィール写真

河尻 光晴

<経歴>

学生時代は陸上競技で活躍。教育出版社の商品開発を経て、 中小企業のマーケティングやブランディングのツール企画制作に携わる。担当したクライアントは述べ600社以上。
ライフワークとして似顔絵師としても活動しており、2015年からイラストの技法を使った研修やセミナーを開始。2021年6月に独立。フランスの高校でオンライン授業を行うなど活動の領域を広げている。