インドネシアのLNG事業5割増産 三菱商事など出資
英BPは19日、三菱商事など日系企業と手掛けるインドネシアの液化天然ガス(LNG)基地で、増設した設備からの出荷を始めたと発表した。LNGの生産能力は5割増の年1140万トンになる。長期契約でLNGを日本に供給する設備の新たな稼働は、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降初めて。
ニューギニア島にあるLNG基地「タングー」の液化設備を2系列から3系列に増やした。総事業費は1兆円規模とみられる。当初の生産開始は20年だったが、新型コロナウイルスの流行などで工事が遅れていた。
生産能力増強分の年380万トンのうち、最大年280万トンをインドネシアの国営電力会社、同年100万トンを関西電力に販売する。
プロジェクトを運営するBPは権益の約40%を持つ。三菱商事のほかINPEXなど日本企業6社が出資し、日本側で計約46%の権益を持つ。それぞれが権益に応じた事業費を負担している。
日本のLNG輸入量は22年で7200万トンと国別で世界最大。全体の4割をオーストラリアから、1割弱をロシアから輸入している。ロシアによるウクライナ侵攻でLNGの奪い合いが世界で続いている。日本企業が出資するLNG設備の増強は、日本の安定調達につながる。