プーチン大統領の〝跡目抗争〟が激化 「愛人」カバエワ氏、排除勢力が隠し資産を暴露 「料理人」プリゴジン氏、目立つワグネルの失速 「忠臣」メドベージェフ氏が台頭か

プーチン氏(左)の愛人とされるカバエワ氏=2014年
プーチン氏(左)の愛人とされるカバエワ氏=2014年

ウクライナ侵略から1年が過ぎるなか、ロシアのプーチン大統領の周辺に不穏な兆候だ。「愛人」に巨額な隠し資産のスキャンダルが流出し、情報の出所が憶測を呼ぶ。一方、プーチン氏の立場を脅かすとみられていた「料理人」が失速し、最大の「忠臣」が再浮上するなど、政権中枢の「跡目争い」が激化しているようだ。

ロシアの反政府系ネットメディア「プロエクト」が2月28日に報じたのは、プーチン氏の愛人とされる元新体操五輪金メダリスト、アリーナ・カバエワ氏(39)が秘密裏に所有していた国内最大規模のペントハウスの存在だ。冬季五輪も開かれた黒海沿岸の保養地、ソチにあり、部屋が20室、シアタールーム、ビリヤード場、美術館などがあり、2011年基準で15億円以上の価値があるとされる。

プーチン氏はまた、ロシア北部のバルダイ湖にある自身の別荘の隣に、カバエワ氏と子供たちのための木造の邸宅建設を指示したという。

プーチン氏とカバエワ氏の関係は公然の秘密だが、なぜこの時期に隠し資産が暴露されたのか。

プリゴジン氏

筑波大の中村逸郎名誉教授は「カバエワ氏を快く思わない一派から資産情報が暴露された可能性がある。政権内にはプーチン氏の元妻やその子供と連携する勢力もあるといわれる。カバエワ氏もプーチン氏の庇護(ひご)を受けなければならない立場で、権力闘争の激化が家族の跡目争いにまで波及したことを示している」と解説する。

政権中枢の争いも混沌(こんとん)としてきた。「プーチンの料理人」と呼ばれる立場から、ウクライナ侵略後は政権奪取をうかがうほどの力を付けてきた民間軍事会社「ワグネル」創設者、エフゲニー・プリゴジン氏だが、ここにきて失速が目立つ。米紙ウォールストリート・ジャーナル(日本語版)は、プリゴジン氏がロシアの正規軍への批判を「トーンダウン」させていると伝えた。

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