ふるさと納税で電力、地域の風力・太陽光の発電後押しを期待…総務省「地場産品に不適合」から容認に一転

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 物価やエネルギー価格の高騰が続く中、ふるさと納税の返礼品として、地域の風力や太陽光などで発電した電力を提供する取り組みが注目されている。再生可能エネルギー(再エネ)の活用促進が期待される一方、事実上の電気代給付との指摘もあり、専門家は慎重な制度運用が必要と指摘している。(大森祐輔)

電力の返礼品について話す久保常務(2日、鹿児島県薩摩川内市で)=長野浩一撮影影
電力の返礼品について話す久保常務(2日、鹿児島県薩摩川内市で)=長野浩一撮影影

 「100%自然由来の電気を、ふるさと納税の力でお得に届けます」。鹿児島県薩摩川内市で風力発電所の運営などを手がける新電力会社「ワット」の久保信治・常務取締役が語った。

 海辺の高台に建てた風車12基で一般家庭約1万世帯分に当たる年間5000万キロ・ワット時を発電し、九州電力グループの送電線を通じて供給している。月額料金は一般家庭で九電より数十円高い程度という。

 6月から、市と協力して、返礼品に電力を加えた。市に1万円を寄付し、ワットと電力供給の契約を結ぶと、3000円分の電力料金を市が代わりに支払ってくれる仕組みだ。

 問い合わせは徐々に増えているが、実際の寄付は2件と伸び悩む。返礼品を受け取るにはワットへの契約切り替えが必要なことに加え、自前の発電施設を持たない新電力で経営破綻や供給停止が相次いだことも背景にありそうだ。

 久保常務は「まだまだ知名度や信頼が足りない。ふるさと納税で電気代が浮くメリットや、国際情勢に左右されにくい電力であることを、福岡都市圏などで周知していきたい」と話す。

 電力が返礼品として注目を集める理由の一つには、大手電力で近年相次いだ電気料金の値上げ傾向がある。

 料金を抑制するための政府の補助金効果を除いた場合、九電の10月の電気料金は、一般的な家庭のモデルで7001円と、3年前から682円(11%)増えた。東京電力もモデル家庭で3年前から1900円(29%)増えたという。

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4646117 0 社会 2023/10/17 07:16:00 2023/10/17 07:29:03 2023/10/17 07:29:03 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/10/20231017-OYT1I50024-T.jpg?type=thumbnail

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